「工藤、大丈夫か?」



「ああ…でも明日は…出られそうにねぇな……ははっ」



苦し紛れに笑顔を作る工藤君。



うん、知ってるよ。



みんな知ってる。



この劇を誰よりも楽しんで、取り組んで、成功させたかったのは、まぎれもない工藤なんだよね。



こんなの辛すぎる…。



「それじゃあ明日の劇は……」



中止…なんて言えないよ。



この言葉がどれほど重いか…。



「仕方ないな…」



私も龍人も完全に諦めていた。



諦めるしかなかった。



だけど…。