「ああ……ありがとな」



「そうそう!『ごめん』より『ありがとう』がいいって言うでしょ?」



「…ふっ…なんだよそれ」



よかった。



やっと笑ってくれた。



私のせいでずっと暗いままの龍人なんて嫌だもん!



「じゃあ俺は先生呼んでくるな!」



「え!」



「じゃ!」



まって。



もう少し2人でいたいのに…。



私に背中を向けて走っていく龍人に手を伸ばすけど、届くわけもなく…。



しょうがない。



久しぶりの2人の時間もここまでか。



そっと手を下ろした。