「ふむ…人というものは誰しも闇を持つものじゃ」



その言葉で私の胸がズキッとした。



おじいさんは遠い目をして話しているのに、まるで心の目で見つめられているみたい。



「嫉妬、憎しみ、恨み…それは人それぞれ別の闇を持っておる。それを制御するのは実に難しい」



もう1人の私のことを思い出す。



きっとあれは、私が制御しきれなかった闇。