きみと歩んだ軌跡


寂しそうな声。

“会えるよ”って言いたくなる。... けど。優衣は、赤ちゃんの頃、赤ちゃんポストに置き去りにされた子。お母さんの居場所もわからない。

「一緒に、会えるようにお願いしよっか。今年も、七夕に書こうね?」

少しだけ微笑んで、こくっとうなずく。

そして、また麻尋に抱きつく。

... たぶん、優衣なりに理解しようとしているんだ。お母さんがいないということを。

でも、どうしてなのかわからない。

だから、自分で理由をつけて、待つんだ。

家族が、また迎えに来てくれる。って。

麻尋にも、わかる。痛いほど。

家族がいるって、どんなことなんだろう。

だけど、今はまだ。

「あたしたち、みーんな、家族だよ。優衣もあたしも、拓実も涼太も咲良も美波ちゃんも。みっちゃん先生もね。」

そう言いながら、ほんとうの家族を待つしかないんだ。