わたしの視線に気がついたりゅう君は
照れたように顔を背けて、真顔に戻った。




「りゅう君もやってみてよ♡」



「やだよ。」



「やってみてやってみて♡」



「絶対やだ‼︎
お前がやってるの見てるだけでいいよ」



「なんでぇ〜一緒にやりたかったのにぃ。」




気まずい雰囲気はどこかへ吹っ飛んで、
雪の降る中はしゃぐわたしをりゅう君は笑いながら見ている。





ねぇそんな風に笑うんだね。
知っていく全てが新鮮で、その笑顔をもっと見たいなって思って、ますますはしゃいでしまう。




「なんでそんなに楽しそうなんだよ!」



「わからないけど、なんか幸せ♡」




「変わってるな!お前って。」




「あはは♡よく言われる〜!」




言われ慣れた言葉。
変わってるねって、何回言われてきたかな。



わたしにとっては褒め言葉で、
人と違うことが嬉しくて…


でも今もっともっと強くそう思った。






住宅街に響く2人の笑い声を掻き消すようにわたしの携帯電話が音をあげた。




「やばっ!時間‼︎‼︎」


じたばたしながら携帯電話を取り出し
画面を見る。
表示された名前に一瞬固まってしまった。




親からだと思っていた着信は…




こう君からだった。