「はぁぁっ?!
こう君はなにを考えているの!?」



女子トイレの鏡の前でみぃは呆れ顔。




あれ…
昨日と同じシュチュエーション。
違うのはわたしの目が腫れてなくて、
表情が生き生きしていること。


鏡を覗き込みメザイクできちんと目をぱっちりさせて、気合いを入れてお化粧をする。
気合いを入れたとこでこの地味な顔はたいして変わらないのだけど…。




「おはよ〜」



いつも通り、遅れてのんびりやってきた麻耶にすかさずみぃは言った。



「麻耶!こう君どう思う?!」




わたしがみぃに話した内容は
きっちりと麻耶に伝わった。



「え〜…亜由菜より戻すの?
私は反対だけどなぁ〜」



麻耶の隣で何度も頷くみぃも
わたしとこう君がよりを戻すのは反対みたい。




「う〜ん…とりあえずこう君から詳しい話しも何も聞けてないからさ…ちゃんと聞いてくる!それで決める!」




「いや!会いに行かない方がいいよ!
亜由菜は絶対いいように丸め込まれるよ。」



みぃはわたしをよくわかっている。
でも…好きで付き合ってた人だもん。
このまま終わりなんて、やっぱり納得できない。




「クレープは?」



麻耶がポツリと言った。




「クレープ?」



完全に頭の中がハテナのわたしに
みぃが説明し始める。



「亜由菜を励ます会。今日学校が終わったらやるって昨日決めたでしょ?それを駅前のクレープのお店でやろうって昨日麻耶と決めてたの。亜由菜生クリーム苦手だから、カスタードのあるお店にしようって麻耶も必死に調べたんだよ。
クレープとはそのこと」





すっかり忘れていた…
恋に夢中なわたしはそれ以外何もかも後回し。