やっぱり2人は居てくれた。



「さみぃよ、お前が呼んだんだろ〜」

寒さに縮こまるゆう。
その隣で何かしている智也の手元がオレンジの明かりに包まれた。




ろうそくに灯った火が滲んで揺れる。




「えっ…花火?花火…してくれるの?」




嬉しくて言葉が詰まって…
同時に涙も流れてくる。



「なに泣いてんだよ!お前がやりたいって言ったから俺ら必死で家の中探して、友達にも花火余ってないか聞いたんだからな」




「そうだそうだ!感謝しろ」



縮こまったままゆうはわたしを見上げた。



「え〜ん…彼氏に振られたんだもん。
可哀想でしょ?慰めてよぉ。寒いけど1人じゃいられなかったんだもん。」





2人の優しさがわたしを弱くする。
いつだってそうだった…
いつだって弱った時、甘えていたんだ。





「知らねーよ!てか目、腫れすぎじゃね?」

笑いながらわたしの顔をまじまじみる2人は、それ以上何も聞かず花火をすることにテンションがあがっている。