「・・・んんっ。ふぁー。

あれ、李斗は・・・」

音春の体は入った覚えのない布団に入っていた。

きっと李斗がひいてくれたのだろう。

当の李斗は毛布もかけず、

手にはペンを持ったまま、

地図や紙が広げられた机に眠っていた。

(もしかして私が寝てる間もずっと・・・)

音春はそんな李斗にそっと近づく

徹夜でずっと作戦を一人で考えていて、

疲れ果てて寝ている李斗の体は

すごく冷たかった。

「これじゃ、風邪ひいちゃうよ。」

自分が掛けていた布団を

李斗を起さないようそっとかけた。

「頑張りすぎだよ。李斗。」

確かに今回の戦いはそう簡単には勝てない相手だ。

だから作戦をしっかり

なおかつ早く考えたいのは分かる。

策略も考えなきゃならない。