台所にいた山口のお母さんに声をかける。
「あ、綾香ちゃん!」
私の顔を見るなり、
笑顔になるおばさん。
「久しぶりねぇー!
なんか大人っぽくなったんじゃない?」
私の顔をじっと見つめる。
なんだか恥ずかしくて、
体の体温が上がった。
「ふふ。
すぐ赤くなるところは相変わらずね。」
「あっ…。」
私は顔をそらす。
「あ、これ母からです。」
お母さんから受け取ったお煎餅を渡す。
「え、いいのー?
ありがとう!」
笑った顔は、山口にそっくりだ。
「それより、なおは?」
あ、そういえば山口どこに行ったんだろ?
「なお兄ー!」
沙良ちゃんが呼びに行く。
「なぁ、母ちゃん!
俺野菜どこ置いたっけ?」
ベランダから出てきた山口。
そこにいたのか。
「はぁ?
あんたさっき持ってたじゃないの!」
「そーなんだけど、
気づいたらなくなってんだよ!」
あたりをキョロキョロ見回しながら言う。
カウンターの上に置かれた袋に目がいった。
「ねぇ、その袋は?」
私の言葉にみんながカウンターを見る。
「あ、そーだ!
俺ここに置いたんだ!」
うっかり☆とでも
言いたそうな顔でこっちを見る。

