キミと出逢えた季節〜最初で最後の恋〜





「蒼、…こっち!」




…負けてたまるか。





「蒼?!」







…こんなところで、




終わってたまるか。






俺は…勝って、…勝って




もっと上へ行くんだ。










焦りの中、放ったボールは





大きな弧を描く。




絶対決まると思った。







それを疑わなかった。







なのに。









放ったボールは、リングにぶつかり





跳ね返って相手の手に渡った。






…一番、得意なコースで










練習でさえ、一度も外したことなんてない。








なのに…なんで…









「蒼、何してる?!守れ!」






涼介の声にハッとして、振り返ると




相手選手はもう、俺の後ろにいた。




…抜かれた。







そいつはあっという間にリング下へ


回り込み、





放ったボールはキレイな弧を描き、



リングに入った。






相手チームの歓声が




どこか遠くで聞こえるようで…。






「蒼、さっきからどうしたんだよ?!」




俺の元へ走ってきた、涼介。




「…悪い…。」



俺のせいで…また、点差が……。






似たようなやりとり、




中学の頃もやったな。





あの時と、同じだ。








中学最後の試合。




決勝戦。



相手は強豪校で。



今と似たような状況だった。




『蒼、何やってるんだ?!』

涼介の声。


あの時も


一人でやろうとしたんだ。



点差を埋めようと、必死で。



『一人で突っ走んな』



張り詰めて、



『勝手すんなよ。』

張り詰めて。




だけど、




俺たちは負けた。



いや、俺のせいで負けたようなものだった。


『もうこれ以上、天才にはついていけねぇ。』



『もっと周りを見ろよ。』


チームメイトの声なんて、聞こえてなかった。












同じことを、…繰り返そうとしている。




「…悪い……涼介。」




また、俺は…あと一歩のところで




負けるのか…?








あと2分……なんとかしねぇと!