君と過ごした夏、私が決めた時間。





「もうすぐ期末テストだけど、
咲季ちゃんと勉強してる?」




突然飛んできた質問に
苦虫を噛み潰したような顔をする。

しているかと聞かれれば
確かにしてはいるけれど…、
その成果は芳しくなく思える。




「やってはいるんだけど…
わからない所が多くて」


「やっぱり、だと思った。

明日からテスト前で部活休みになるからさ、
勉強見ようか?」


「ほんと?凄く助かる、嬉しい」




陽介は頭がいいだけではなく、
教えるのもうまい。

私が特に苦手な数学でさえも
陽介に教わる前と後では点数が見違える。




「今回は数学だけじゃなくて
科学も危なそうなんだけど…」

「いーよいーよ、それも教えるから」

「ごめんね、ありがとう」

「折角の夏休みなのに
咲季と一緒に遊べない方が困るからいいの」

「そっか……」




気を遣ってくれた
優しい言い回しが心に染みる。

私は陽介のこういう所も好きだった。