傘を持ち、
ローファーを下駄箱にしまい
代わりに上履きを履く。
そのまま傘は教室までのお供だ。
私の高校では傘の盗難防止だとかなんとかで
昇降口に傘を置くスペースはない。
正直な所、
濡れた傘を教室まで運ぶのは億劫なのだが、
そういう規則ならば仕方がない。
傘を持ったまま鞄を肩に背負い直し、
自分の教室がある三階まで階段を登る。
教室へ到着すると既に
川口陽介(カワグチヨウスケ)が隣の席に着いていた。
「陽介、おはよう」
「咲季、おはよう」
名前を呼び声をかけると、
それを真似る様に返してくる。
