とある長期休みに、あたしは祖母の家に来ていた。 「心花」 名前を呼ばれ、振り返るとそこにいたのは、悠記だった。 「悠記…」 あの日から、会うことを避けていたあたしにとっては気まずかった。 それに辛かった。 「心花〜!絢の家行くよ!」 「あ…悠記、ごめん。また今度ね…」 お母さんに呼ばれたのを理由にあたしは悠記から離れた。 それからはほとんど悠記を逃げるようになった。