満月の夜には

『それは、ミズキがまだ気付いていないだけだ……

確かに居るはずだ

ミズキを大切にしてくれる人が……



………ごめんな、ミズキ』




パパの声はそう言うと、それっきり聞こえなくなった


大切に……?

誰にも愛されていない私を大切に思ってくれる人なんて……





熱にうなされていただけなのか、


ゆっくりと瞼を開けると、暗闇が私の視界を支配した



「…………よ、る?」



なんてことない夜

いつも通りの夜



あの後私は寝てしまって、目が覚めたら夜だっただけだ


脳がそう言っているけど、私の中の“私"がそれを聞かない