そこらじゅうに響き渡る、蝉の声。 二人を照らし、横にならんだ影を作る、夕日。 入りくんだ奥地からぼんやりと聞こえてくる、波の音。 全てが、今までとは違って、 どこか新しい世界に見えた。 「…」 私は、言葉を探していた。