彼の胸の中で。



昨日の私は何を考えてたかな。


いつだって隣にある愛しい温もりに甘えすぎてたんだよ。


いつも私を守ってくれてた君がいるから。


だから今度は、私が君を守ろう。



「そう言えばもうすぐテストだな」

「あ"! せっかく忘れてたのに…」

「勉強しねぇと留年になるぞ〜」

「お兄ちゃんだって勉強しないとでしょ!」

「俺はYDKだからいいんだよ!」

「私だってやれば出来るもん!」



――どんな関係になったって、君の笑顔を見ていられるなら、私はそれだけで幸せだから。


この想いはまだ割り切れなくても。


明日からは少しずつ元に戻ろう。


まだ私の気持ちが彼の胸の中で溺れていたとしても――…。




fin.