「なによぉ」 私は自分が涙目になっていくのがわかった。 「…………なに、泣いてんだよ」 「泣いてないもん」 「はぁ……」 「ちょっとーーそこのバカップル‼︎海行くよー⁉︎」 どっちがバカップルよ‼︎ 「行くぞ、杏」 「う………うん」 私はそのまま歩き出そうとした。 「いや、お前。そのままは無理だろ」 「………やっぱり?」 「ああ」 仕方ないか……… バサッ 私はパーカーを脱いだ。 「………え」 またソウくんが固まった。