ange~天使が恋した王子様~


「はい、ついた」


「バカ棗……」

私はまたパラソルの下で蹲る。


「もー杏の好きな海だよ?」


「今それどころじゃないのー‼︎」


「去年だって泳いでたじゃん」


「こんな水着じゃなかったもん‼︎」


「そうだっけ?」


「こんなんじゃ泳げないー」


「んな大袈裟な…」

呆れたようにため息をつく棗。