カチャン 家の門を閉めて、駅へ歩き出したとき、 思わず足を止めた。 「え…」 うそ…どうして…… 「遅えよ」 そこにいたのはソウくん。 「なんで…」 もう、学校に行ったんじゃ…… 「いいだろ、別に」 「いい、けど…」 「だいたい、最近遅いんだよ、杏」 「……ごめん」 「どれだけ待ったと思ってんだよ」 「ごめんなさい。そんなに待っててくれたの?」