「おはよ、ソウくん」


「ん、はよ」

それから、冬休みが明け、新学期になった。

卒業まであと2ヶ月。

受験を控えているソウくんとはあれからあまり会えなかったけど、お正月は一緒に過ごせた。


「杏?」

ぼーっとしている私の顔を覗き込むソウくん。


「あ、なんでもないよ」


「ふーん……」

繋いでるソウくんの手に少しだけ力がこもった。

私も握り返す。


「もう、卒業か……」


「まだ2ヶ月はあんだろ?」


「でも、ここからは自由登校だからあんまりみんなに会えないよ」


「……………まーな」

ソウくんだって、受験はもう間近。

なかなか会えないだろう。