「………離れて、行かない?」


「離れねぇよ」


「そばにいる?」


「お前が嫌っていうほど」


「好きで、いてくれる?」


「嫌いになんてなれねぇよ」


「絶対?」


「絶対」


「私を、選んでくれる?」


「迷わずに選ぶ」

俺がそう言うと、杏の手がゆっくりと俺の背中にまわった。