『あ、ん………?
お前、今どこにいんの」』
「………………っ」
驚いたのか、少しソウくんの声は震えていた。
『お前、まさかまだ……「もう、家だよ‼︎」』
ソウくんの声を遮った。
『でも、今…』
「テレビのニュースでその特集やってるみたい!」
周りにカメラもいないのに、苦しい言い訳。
『そんなわけ、』
「とりあえず!私はもう家だから。
それに、私もすぐ帰ったからわざわざ家まで来てくれなくていいよ。
それじゃあ、また新学期ね」
これ以上聞かれたら、本当のことを言ってしまいそうで。
私は一気に言った。
『杏、』
「バイバイ」
ピッ
こんなにも待ち望んでいたソウくんからの電話は、自分を苦しめるものでしかなかった。

