「え………?」

昼休みの誰もいない屋上に小さく響いた棗の声は震えていた。


「嘘、でしょ…?やめてよ杏、シャレになんないって」

はははと乾いた笑いをしながら棗は言った。


「………ほんとだよ」


「杏、」


「私はソウくんから離れるよ」


「ねぇ杏、不安になるのもわかるけど、頑張ろうよ。ソウだってきっと杏のこと考えて、」


「うん、知ってる」


「だったら…‼︎」

焦ったように言う棗。