どんっ がんっ どんどんっ ドサッ 身体中が痛くて動かない。 意識も朦朧としていた。 残っている僅かな力でなんとか横を見ると由紀ちゃんが倒れていた。 ここから見たところ、外傷はなさそうだ。 私の上に落ちてきたとき、抱きとめた勢いで私も落ちたけど、ずっと私の腕の中にいた由紀ちゃんはどこも打たなかったようだ。 「よか、った…」 こんなに痛いのに、"よかった"なんて、我ながらお人好しだな。 朦朧とする意識のおかげで余計なことを考えず、むしろ冷静にいられているようだ。