「ソウくん、帰ろ〜」


「ああ」

私たちが教室を出ようとした時…。


「ソウ」


「……由紀」


「ごめん、今日はあんまり体調がよくなくて…一緒に帰ってくれない?」


…やだ、

行かないよね……?

ソウくん。

行かないで……


そう、願ったのに…

「………わかった」

え、


「ソウくん、」


「悪い杏、先に帰っててくれ」


「………」


「ごめんな、また一緒に帰ろう」


「…………う、うん。わかった」

私はできるだけ自然な笑顔でそう言った。