「なら、私にはそれは好都合なのも、わかるよね?」


「そんな、」


「残念だけど、どれだけ酷い人間だって思われても、私は使える手はなんでも使うわよ。

それが、ソウを騙すことでも…」


「それ、ソウくんが知った時、」


「傷つくってわかってる。それでも、使うわ。

それだけ、ソウが好きだもの。

手段なんて選ばない」


ハッキリ言った彼女は今まで見ていた美しさとは別に、強さも見せていた。

それは、ソウくんへの想いの強さだということも、痛いほどわかった。