「ソウ!」 あの声が聞こえた。 「由紀…」 「あの、話したいことがあるんだけど…」 「………」 下を向いて、でもはっきりと言う村尾さん。 行かないで……! 私が思わずソウくんの袖を小さく引いた時、 「悪い、俺、今日はもう帰りたいから」 ソウくんがそう言った。 「あ、そっか……うん、わかった。じゃあまた明日」 「ああ、じゃあな」 そう言ってソウくんは袖を引いていた私の手を掴んで教室を出た。 少し離れたところから興味津々に見ていたクラスメイトたちはびっくりしたように目を見開いていた。