修学旅行から帰ってきた私たち。

そして、今年もあの日が来た。


「行ってきます」


「行ってらっしゃい。気をつけてね」


「はい」

紗江さんに見送られ私は家を出た。

今日は平日だけど、学校をサボってしまった。

今日ばかりは紗江さんもなにも言わない。


「杏」


「え、ソウくん……」

まさかいるとは思っていなかったソウくんが門の前にいた。


「どうして…」


「俺、学校あるから。途中まで行こうぜ」


「あ、うん」