「あの………母のお知り合いですか?」
「母……………?」
「あ、私は杏菜の娘です」
「あなたが…?なら、あなたはもしかして"杏樹"?」
「私のこと、知っているんですか?」
「ええ。最後に見たのはあなたが本当に小さな頃だったけどね」
「あの、どうして母を…」
「ああ、そうね。ちゃんと話すわ。
でも、ここで立ち話もなんだからどうぞ入って?」
鍵を取り出した彼女は言った。
「ここは、あなたのご自宅ですか?」
「ああ、ここは……杏菜の家よ」
そう言って彼女はドアを開けた。
私は足がすくんで動けなくなった。
思わずソウくんの袖を掴む。
「………大丈夫だ」
その手を解いて手を繋いだソウくんはゆっくりと歩き出した。

