「勝手に入っちゃだめだよね?」 「てかここ、空き家じゃねぇの?」 「さぁ……」 2人で首を傾げていたとき。 「杏菜⁉︎」 後ろから呼ばれた。 杏菜……………って、お母さん? 「杏菜じゃ………ない……」 日本語………………日本人? 「そうよね、杏菜がいるわけないわ。 だって杏菜はもう……。 私ったらなにを言っているのかしら。 ごめんなさいね、驚かせて」 そう一気に言ったその人は私にではなく、自分でその言葉を言い聞かせているようだった。