「眠い〜〜」

バフッとホテルの少し硬いベッドに倒れこむ。


「美味しかったね〜夕飯」


「うん」

棗の言葉にベッドに顔を埋めたまま返事した。


「あ、杏。お風呂はいってきたら?今日はもうなにもないし」


「あ、そうだね。じゃあ先入るね」


「はーい」

この時、私はまだ知らなかった。

棗がニヤリと笑っていたことに……。