ザザン

波の音に隠れて微かに聞こえる風の音は誰かが泣いてるみたい。

そっか、ソウくんに告白したとき以来だから半年は経つんだ…

あっという間だったな…


「杏」


「なぁに?」

隣に腰を下ろしているソウくんを見る。


「サンキュ」


「え?」

私、何かしたっけ…


「この半年、そばにいてくれて。

俺、フラれたけど、杏のおかげであんまショック受けずに済んだっていうか、普通でいられたっていうか…

あー、なんていったらいいかわかんねー……」

そう言って膝に顔を埋めるソウくん。

でも、私は今の言葉だけですでに涙腺が崩壊しそうだ。