「杏?」 涙を黙って流す私に少し焦るソウくん。 「ごめ、嬉し、……」 「え?」 「来年も、一緒にいれる………?」 「……杏?」 「私、ソウくんのそばに、いれる…………?」 涙をぬぐいながら言う。 「……杏、話が、ある」 いつになく真剣な表情のソウくん。 私は黙って頷いた。 そして私たちは海に向かった。 冬の海。 私たちが出会い、私が告白した場所。 私がソウくんに救われた場所。 そして、また、何かが始まる……。