「あら、おかえりなさい」 ドアの音に顔を出したのは紗江さん。 「ただいまです、紗江さん」 「今日は早かったのね」 「やることなくて…」 確かにまだお昼過ぎ。 早いな… 棗はデート。 ソウくんは部活。 やることないのは事実だ。 「今日の夜はどうするの?」 「あー特に予定ないです」 高校2年生にもなってクリスマスの予定ないって… 我ながら、悲しすぎる… はっ、思わず笑ってしまった。 「杏?」 「あ、なんでもないです。着替えてきますね」 首を傾げた紗江さんに言って自分の部屋に行った。