「迎えが来たぞ」 迎え…? 「ほーら、杏‼︎」 千夏先輩は私の背中を押して扉の外まで出る。 「ちょ、なんですか先輩‼︎」 私は後ろの先輩に言いながらも力に負けて外に出た。 「え…………」 「おせーよ、杏」 そこにいたのは壁に凭れて腕を組んでいたソウくん。 その姿が、夏休みの花火大会のときと被る。