「ほら、さっさと貸せよ」 「え?」 「ペ・ン・キ。なんのために俺が来たと思ってんだよ」 結局私の腕からペンキを奪ったソウくんはそのまま教室に歩いて行った。 私もそのあとを追いかける。 「あ、帰って来たーーー」 「杏ーーーごめんね?重かったでしょ?」 「あ、全然大丈夫‼︎ソウくん来てくれたし‼︎」 「ソウ、ありがと‼︎」 「ん」 ソウくんは教卓の上にペンキをおいて、さっきの場所に戻って、また作業を始めた。