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…………ピンポーン。

謎の男の人が行ってしまってから、どうしようもなくとりあえずひな君の家に向かうことにした。

着くまでにまた涙が出てきたけど、借りたハンカチで何とか引っ込めた。

「「……はい。」」

「……ゆうです。」

「「…………!!入ってきて。」」

ガチャ。

「……おはようございます。」

……入っていいのかな。

久しぶりに入ったその家は、寂しそうでシーンとしていた。

「……ゆうちゃん。」

「……!!」

お姉さんも、たくさん泣いてたんだね。

沢山泣いたあとがあって、今にも倒れそうなほど顔がやつれていた。

「とりあえず上がって。」

「……はい。」

私はお姉さんの言葉どおり、上がってリビングに向かった。

……相変わらず広いな。

私の家とはおおちがいだ。

「……ゆうちゃん。ひなとの約束って何??」

「…………実は。」

お姉さんにひな君から深夜に電話があったことをすべて話した。

包み隠さず全てお姉さんに……。

言い終わったらお姉さんは少し泣きそうな顔をしていた。

「……そうなのね。ひながそんなこと……。」


「お姉さん、大丈夫ですか?」

「うん、大丈夫よ。ゆうちゃん、ごめんね。取り乱しちゃって。」

「大丈夫ですよ。姉弟だから、当たり前ですよ。」

「そうね……。」

……??

少し、お姉さんの顔が暗くなった……??

「それより、ひなの部屋に行こっか。」

「あ、はい。」

お姉さんの顔色が少し気になったけど、とりあえずひな君の部屋に向かうことにした。