洗濯かごに残った最後の洗濯物、カッターシャツを手に取った。 もう一度嗅いでみると、もう誠司さんはそこにはいなくて、柔軟剤の香りが妙に虚しく感じた。 ふと、胸ポケットを見た。何かが入っていて、くしゃくしゃになっている。広げてみた。 ≪CLUB 胸☆胸キュン♪≫ 麻美-MAMI- せいじサン、また遊びに来てくださいね~♡ まみより 名刺を握りしめた拳は、ブロック塀でも破壊できそうなほど堅かった。