さよならだと言われ、抱きしめられたかと思えば、存在すらしていないような扱い。

思考回路がパンパンで何をどう考えたらいいのか分からなくて、乾いた笑いが出た。

「はは…」

自分から出た笑い声が、頭の中をこだまする。

登山をして、大きな声で叫ぶ。それは、こだまする事を望んでの行動。だけど、今回はこだまする事を望んでいたわけではないし、自分で自分をいたぶっているようで、気分が悪かった。

何もしなくても時間は過ぎていくもので、連絡先すら知らない私と隼人の関係は、呆気なく絶たれた。

最後の挨拶なんて、勿論あるはずもない――。

隼人。

今まで私の心を支えてくれた人。

さよなら―――



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