無愛想天使

「笹本…さ…ん。ごめ…んな…さ…い。ごめ…んな…さい」

泣きながら何度も何度も謝った。

「…大翔って…言って?」

「…は…ると」

「…ありがとう。これから隼人の名前が呼びたくなったら大翔って僕の名前呼んでよ?いつでも、何処でも駆け付けて乃々香ちゃんの事抱きしめてあげるから」

頼ってはいけないと頭で分かってはいても、そういう時ほど居心地がいい。

何て、ズルイんだろう…

私が落ち着いた事を確認するといつものように向かい合って座った。

変わった事といえば、笹本さんの事を下の名前で呼ぶようになった事と、握られた両手―――。



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