無愛想天使

引き締まった表情を見せたかと思えば、笑顔でまた話し始め、別に怒っているわけではなく、ただ自分の心に嘘をついて苦しくなってほしくないだけだと言われた。

「…ありが…とう…ござ…いま…す」

今の私の笹本さんに向けられる精一杯の言葉を述べると、本当にそう思ってるなら、僕のお願い一つ聞いてもらおうかなと言った。



「乃々香ちゃんの、正面を僕にちょうだい?」



正面?

「あの…」

「意味が分からない?」

素直に頷くと、突然抱き抱え体勢を整え向かい合うように座らされ、こういうことと言われた。



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