無愛想天使

「悲しい音だね」

と言われ、おじさんに目を向けた。

「じゃ、おじさんが元気になるように一曲プレゼントするよ」

そう言うと、おもむろに弾き始めた。

何かとてつもなくすごい曲を弾くのかと思いきや、耳に入ってきた曲は星の歌。

みんなが知っているであろうあの曲。

私が最初に弾けるようになった曲だった。

「玲子も…お母さんも、好きな曲だろう?」

一言言うと、後は無言だった。

終始穏やかな表情で弾いていたのに、弾き終わると、真面目な顔になった。



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