「指…だと?乃々香、怪我したのか?」

「うん…昨日、転んだ時に」

「何だってぇぇ!?お父さんに見せてみろぉぉ!?」

そう言って、私の手を握っていた笹本さんを押し退けた。

笹本さんは、その衝撃でよろめいて机に突撃した。

まるでコント。

「いってぇ!」

先生、私より笹本さんの方が大変な気が…


「ピアノを弾く奴にしたら、指は命の次位に大事だろーが!何で言わなかった!?」

先生は、血相を変えて問い掛けてきた。でも、私の返事は素っ気ないもので…



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