「結城さんところのお子さんは今、何歳なんですか?」
お母さんと思われる綺麗な女の人が質問してきた。
「今年で5歳になります。
楠木さんのところは?」
母が聞き返すと、小さな女の子が前に出て、
「楠木結愛(クスノキユラ)です。5歳です!」
笑顔でそう自己紹介した。
少し母の後ろから顔を出してその子の顔を見てみた。
俺の通っている幼稚園の子達より断然可愛かった。
「あら、しっかりしてるのね!
ほら、悠馬もしっかり挨拶しなさい。」
俺は母に引っ張り出され、彼女の前に立たされた。
俺は下を向きながら、
「結城悠馬(ユウキハルマ)です。」
そう言った。
すると、床しか見えていなかった俺の視界に、突然小さな白い手が現れた。
「悠馬くん!」
突然名前を呼ばれた俺は驚き、顔を上げた。
「握手、しよ?」
俺は小さく頷き、彼女の手を握った。
「よろしくね。」
彼女も優しく包み込むように俺の手を握った。
「よ、ろしく…」
俺がそう言うと、彼女は俺に満面の笑みを見せた。
その瞬間、俺の鼓動がどんどん早くなっていくのが分かった。
このとき、小さいながらも俺は、彼女に恋していることに気づいた。
