次の日の数学の時間に返ってきたプリントには 丸が付いてない箇所が2つと点数の下に書かれた "俺の勝ち"の文字。 「おいナナ、今日は真っ直ぐ家に帰るし 乗ってけよ」 気まぐれ涼の声がわたしの耳に届いた頃には 授業どころかいつの間にか1日が終わってた。 「そう言えば、数学のテスト 今回簡単だったな」 「…え?」 「俺、初めて満点。すごくね?」 半分はいつも間違っている涼が満点? なに寝ぼけたこと言ってるんだろう。