「私の名前は涼(すず)。よろしくお願いします。」

そう言って一礼した。

「もー、堅苦しくしないで!先輩って言っても1年しか変わらないんだから。」

にっこりする先輩。先輩の名前は巻乃(まきの)さんというらしい。

「巻乃さん、どこ行くんですか?」

ついてきて!と言われ、ついてきた先はすごく古い建物の校舎。

「あなたはなにか、んー、なんていうのかなー、大丈夫な気がしたからここに連れてきたんだよね。」

語彙力ガバガバですまん!と手をパンっと合わせる先輩。

「いえ、大丈夫ですが‥‥。こんなところあるんですね。迷いそうです。」

「涼ちゃんもしかして方向音痴?気をつけなよーw」

「あ、ありがとうございます。」

2人だけの秘密だよ?誰にも言っちゃいけないからね!?

と言われ、少しワクワクした。というのは自分だけが知ってることである。