「……はい」 「よろしくー」 私は手を振った。 「あ、先生! デスクにカルテ置いておいたので、目を通しておいてくださいね」 「はーい」 「それと!その左手」 「え?」 「薬指に指輪してたら、勘違いされて彼出来ませんよー」 「ぷっ……、はいはーい」 なんだか、いつも怒られてばっかりだ。 でもまあ、それが面白かったりするんだけど。 「じゃあ、スケジュールよろしくね」 私はもう1度手を振ると、歩き出した。 「はーい」