「……」 「え?」 奈々ちゃんの顔が一瞬、真顔になった。 「ヒサが考えた学園祭のせいでしょーがー!」 「えー!?」 「もー、優也センパイのもくろみ通りよー。 あの舞踏会がすごく良くて、この学校に入りたいって学生が多くて、しかも、その企画に参加したいって子が多いらしいのよ」 奈々ちゃんは疲れたように、ドサッとイスに座った。 「へー」 「へーって、まったく他人事ねー。 ヒサが企画発案者じゃないのー」 「……そうだけどー、私なんにもしてないしなぁ」 あの舞踏会が、今では夢のように思える。