「はい、ヒサ」 奈々ちゃんが私にコーヒーを差し出した。 「ありがとう」 「最近また、図書室にこもりっきりだね」 「うん……」 「"若年性認知症"……"本当の若年性アルツハイマー病"……」 奈々ちゃんは、机に広げられた本を手に取った。 「ヒサ、これ……」 「うん、色々と勉強してるんだ」