「……」 アルツハイマー病というものを、知れば知るほど怖くなった……。 「ニャー」 自分の部屋の椅子に座る私の足元で、タローが鳴いた。 その後をヒゲジローが追いかけて来る。 「タロー、ヒゲジロー」 私は2匹を抱き上げた。 立ち上がると、窓の外に夕日が見えた。 この仔たちを見ると、センパイを思い出す。 「センパイがいなかったら、おまえたちはここに居ないんだよー。 ……お母さんに会いたい?」 2匹に話しかけると、まるで返事をするかのように、2匹そろって「ニャー」と鳴いた。